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ご挨拶

学会員のみなさま、初秋にはイーハトーブの地で、みなさまをお待ち申し上げております。宮沢賢治の心象風景では理想郷とされています。日本家族心理学会第36回大会を2019年9月21日(土)~23日(月・祝)の3日間、岩手大学上田キャンパスにおいて開催させていただきます。
本大会のテーマは『家族・スピリチュアリティ・美』です。これまでの家族心理学会では様々なテーマが取り上げられてきましたが、このたびは新たなる挑戦として「スピリチュアリティ」や「美」というものに向き合ってみたいと思います。スピリチュアリティは超越的なものに対する考え方や態度とされています。

私たち心理臨床家は自身の認知や経験の枠を超え、理解の外にあるような超越的なものにどのように対応しているのでしょうか。たとえば、神や仏や自然、また、突然降りかかったコントロールできない苦境、なぜ今それが自分に訪れたのかがわからない困難、そして自身の「死」も未経験なので超越的です。一方、美しさは抽象的で捉えどころがないため、その本質を見極めたいのですが、ベイトソンによれば、その対象の中に美しさが存在するのではなく、その対象と自身の体験が結び合わさった結果だと述べています。その対象というのが超越的なものなのだと思います。たとえば、夕焼けが美しいと感じるなら、夕焼けと私の中にあった体験がつながったことになるのです。つまり、美は関係性において感知されるのです。

私たち心理臨床家は人間のこころを対象とした科学者であり、かつ、科学の限界を認めながら超越的なものへのアクセスをも行っているのだと思います。科学と宗教のいずれにも偏らない、結論を出さないという選択が重要なのではないでしょうか。

岩手大学は、神々しい岩手山が見渡せる広大なキャンパスを有し、自然豊かな恵みの大地に立脚しております。スローガンは「グローカル」、グローバルでローカルを目指し、岩手の“大地”と“ひと”と共に、学びを追求しております。是非、岩手の大地に足をお運びください。大会準備委員一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

日本家族心理学会 第36回大会
大会主催校 岩手大学
大会準備委員長 奥野 雅子